【中世の哲学者】トマス・アクィナスの思想をわかりやすく解説!神の存在証明とは?

哲学

こんにちは、レッド副店長です。

 今回は、中世西洋の哲学者であるトマス・アクィナスの思想をわかりやすく解説していきます。また、トマス・アクィナスの名言もいくつか紹介しているので、お気に入りのものを探してみてください。

 トマス・アクィナスは、キリスト教とアリストテレスの哲学を融合させ、新たなキリスト教神学体系を確立させました。

 さらにトマス・アクィナスは『神の存在証明』を考案し、後の哲学史に大きな影響を与えました。

トマス・アクィナスってどんな人?

 トマス・アクィナスは中世西洋の哲学者です。1225年頃に貴族の末子として生まれました。そして1274年頃に没しました。

 当時、イスラム教徒の注釈つきのアリストテレスの哲学が西ヨーロッパにもたらされました。そして、西洋の学者たちはその哲学をもとにした知性単一説を唱えました。

知性単一説とは
 個々人は異なる魂をそれぞれ持っています。しかし知性は1つだけであり神に属しています。人が死ぬと魂は滅びますが、知性は神のもとへかえっていきます。

 この知性単一説は、キリスト教の教えとは完全に対立するものでした。なぜなら知性が1つなら、個人の犯した罪は裁けず、魂が滅びてしまうなら、救済は意味を成さないからです。

 知性単一説に対してトマス・アクィナスは反論しました。そしてアリストテレス哲学とキリスト教の教えを融合し、新しいキリスト教神学を作り上げました。

 さらにトマス・アクィナスの著作として『神学大全』というものがありここでは「神は存在するのか?」という問いに答えています。これは後のキリスト教の教えに大きな影響を与えました。



神の存在証明とは

 トマス・アクィナスは『神学大全』で神の存在について理論的に証明しました。神の存在を証明するために以下の5つの証明を考案しました。

第一の動者

 物体の運動による証明です。ある物体が運動するためには、別の物体の運動が必要です。別の物体の運動には、さらに別の物体の運動が必要です。

 それをさかのぼっていくと一番に物体を動かす存在がいます。その一番最初の物体の運動のきっかけを作った(第一の動者)のが神である、という考えです。

第一の原因

 この世で起こること(結果)には原因があります。そしてその原因を引き起こした原因もあります。

 これをさかのぼっていくと原因の出発点(第一の原因)として神がいる、という考えです。

必然的な存在

 神がいないとすると、なぜこの世が存在するのかが説明できません。確かにこの世の全てのものが偶然できたものである可能性もあります。

 しかしこの世の存在を偶然だけで説明するには無理があります。よって必然的な存在(神)が存在する、という考えです。

完全な存在

 神がいなければ、我々はものの「完全さ」を何と比較しているのか説明できません。人間が「完全」という概念を理解しているということは絶対的に完全な存在(神)がいるからである、という考えです。

自然物の設計者

 人間は用途に合わせて物を設計し、作っています。例えば、椅子は人間が座るという目的のために作られています。

 しかし、人間の耳や犬の足などは、人間が作ったものでないのにも関わらず目的に合わせて精密に作られています。それら自然物を設計したのが神である、という考えです。

トマス・アクィナスの名言

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

哀れみのない正義は冷酷である。

しかし、正義のない哀れみは解体の母である。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

誰かを愛することは、その人に幸福になってもらいたいと願うことである。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

物質は肉体のため、肉体は霊魂のため、人間は神のために存す。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

この地球上において、真の友情よりも大事なものなど何もない。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

哲学は、宗教の端女(=召使い)である。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

恩寵は自然を完成させる。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

この途上の生において愛徳の増大にはいかなる意味での限界も定めることはできない。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

信者が信じなければならないことの中で、唯一の神が存在し給う現実こそ、第一に信じねばならないことである。

<strong>トマス・アクィナス</strong>
トマス・アクィナス

人の思考がどんな努力をしても、たった一匹のハエの本質させ語りきることはできない。

さいごに

 今回は、トマス・アクィナスの思想と神の存在証明について解説しました。中世西洋の哲学では、キリスト教の教えを軸に物事を考える必要があります。

 西洋の学者が唱えたアリストテレス哲学とキリスト教の教えを理論的に上手く融合させたトマス・アクィナスはこれ以降のキリスト教に大きな影響を与えた人物です。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。ここまで読んでいただいたあなたは、トマス・アクィナスがどんな人か、トマス・アクィナスの神の存在証明とはどんなものなのかを理解していただけたはずです。人間力を高め自分を磨きたいと思っているあなた、是非わたしのブログと一緒に成長していきましょう。



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